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レンガのおうちの ミュージカル

ゴホ、ゴホ…。 ゴホ、ゴホ…。 ベッドのうえの おんなのこが、くるしそうに せきをしています。 あしたは、おんなのこの たんじょうび。 けれど、おんなのこは かぜを ひいてしまいました。 それを しんぱいそうに みつめる、たくさんの かげが ありました。 おもちゃばこの なかの ぬいぐるみたちです。 クマのぬいぐるみも、ネコのぬいぐるみも、ウサギのぬいぐるみも。 みんな、おんなのこが だいすきでした。 「かわいそうな おんなのこ。なんとか げんきに なってもらえないかな」 「そうだ、ぼくたちで おんなのこを げんきにしようよ!」 しかし、どうすれば おんなのこは げんきになるでしょう。 ぬいぐるみが とつぜん うごきだしたら、おんなのこは びっくりしてしまいます。 みんな、うんうん なやんでいます。 すると、ハリネズミの おばさんが あることを おもいつきました。 「…なるほど、それは いい!」 「そうだね、それなら きっと、げんきになってくれるさ!」 ぬいぐるみたちは、いそいで なにかのじゅんびをはじめました。
そのひのよるのこと。 おんなのこも、すこし ねつがさがったみたいです。 けれど、まだ くるしそう。 「…いいかい、みんな」 ハリネズミの おばさんが、しずかなこえで いいました。 ほかの ぬいぐるみたちも しずかに うなずきます。
シャン シャララ シャン シャン シャーン シャン シャン シャララ シャーン シャン
シンバルのおとがきこえてきました。 おもちゃばこが、ゆっくりと ひらいていきます。 おんなのこは、めをこすりながら、それを みつめていました。 すてきなレンガの おうちが あらわれました。 その おうちのまえに、ハリネズミの おばさんが たっています。 「おたんじょうび、おめでとう。いちにち はやいけど、わたしたちからの プレゼントよ」 おんなのこは、めを かがやかせながら、おもちゃばこの まえに すわりこみました。 すると、ぬいぐるみたちが いっせいに とびだしてくるでは ありませんか。 きれいな ピアノの ばんそうがきこえてきます。 ♪ルンルン ぼくらは ぬいぐるみ ルンルン うれしい ぬいぐるみ おんなのこの おうちにこれて とっても とっても しあわせです
いつも げんきを ありがとう きょうは ぼくらが げんきを あげる♪
すてきな うたがおわると、おんなのこは パチパチ はくしゅをしました。 クマたちが いちれつに ならびます。 「いつも、すてきな リボンを ありがとう。これからも、げんきでね」 つぎに、ウサギたちが ならびます。 「すてきな おようふくを ありがとう。にんじんも のこさず たべてね」 サル、キツネ、ハリネズミ。 カエル、ネコ、ロバに、ハムスターに、イヌまで。 みんな、おれいのことばを おんなのこに つたえました。 さいごに、しろくまが まえにでます。 「きみが、パンダがすきだってきいたから、くろく ぬってみました…」 はずかしがりやの しろくまをみて、おんなのこは おおよろこびです。 「でも、ぼくは しろくまなので、パンダは べつに かってください…」 おんなのこは、わらいながら うなずきます。 たのしいじかんは、あっというまに すぎていきました。 「もう、おわかれの じかんです。また、あした げんきなえがおで あいましょうね」 ハリネズミのおばさんが そういうと、おもちゃばこは とじていきました。 おんなのこは、さいごまで てをふっていました。 はふぅ、と ちいさな あくびがでました。 まどのそとに まあるい おつきさまが うかんでいました。
つぎのひの あさのこと。 おんなのこは、げんきに めをさましました。 きのうまでの ねつが うそのように、すっかり さがっています。 おんなのこは、すぐに おもちゃばこを あけました。 きのうの おれいを いおうとしたのです。 けれど、そこには いつもどおりの ぬいぐるみが すわっているだけ。 「あれは、ゆめだったのかな…?」 おんなのこは、くびをかしげながら、へやを でていきました。 あいたままの おもちゃばこに、まぶしい たいようの ひかりが さしこんできます。 パンダのままの しろくまが、ちいさく あくびをしました。
テーマ:児童文学・童話・絵本 - ジャンル:小説・文学
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